鳴弦の起源:東洋大姫路鳴弦会

鳴弦の起源

 鳴弦の起源は、様々な文献などから平安時代ではないかと推測されています。鳴弦が行われるようになった当初は、誕生祭に於いて行われたとされていますが、次第に、天皇の入浴や、皇族の出産の時にも行われるようになり、やがて魔除けや、不吉な出来事を祓うことを目的として行われるようになったようです。

 

 文献「光源氏」に於いては、夕顔の死の場面に於いて、光源氏が鳴弦の儀を家臣に命じる様子が描かれています。このことからも鳴弦は、当時の人々の間では、人が弱っている最中や、人が無くなった場合に於いても、邪気や忍び込もうとしている妖気を追い払うものと信じられていた様子が分かりますね。

 

 そして現代に於いても、各地の神社に於いて、節分などの行事の際に鳴弦の儀は行われています。この際、神職の人たちが平安時代の束帯姿で登場し、東西南北に向けて弓を構えて矢を放つ仕草をするそうです。これは、東西南北からの邪気を祓うという意味のようです。

 

 こうしてみると、鳴弦は、平安時代から今日まで大切に守れらてきた伝統文化の一つであることが分かりますね。