東洋大姫路鳴弦会

鳴弦には担当となるべき人がいます

鳴弦を行うには、その担当となるべき人物がいます。鳴弦は平安時代より行われるようになったと推測されており、その担当は、蔵人と呼ばれる日本の法律の下に存在する令外官で、天皇の秘書的な存在として君臨していたようです。この蔵人は、主に天皇の入浴時に際し、鳴弦の儀を行っていたようです。

 

また、邪気払いや妖気の退散を目的とした鳴弦の儀は、僧侶、巫女、または祈祷師によって行われていたようです。

 

現在、全国各地の神社に於いて、節目の行事の際に鳴弦の儀が行われているようですが、神社における鳴弦の儀に関しては、神主を筆頭に、神事に使える人たちによって行われており、巫女はその助手的な役割を果たしているようです。

 

また、宮中でおこなわれる鳴弦の儀の一つには、読書鳴弦の儀というものがありますが、これは皇子誕生後7日間の間、御湯殿の儀式(吉日を選び、産湯を使わせる儀式)に於いて、中国の文献を読み、前途奉祝を願い、弓を引くと言うものがありますが、これを行うのが誰であるかは明らかにされていないようです。